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 △pixelbirds


 



春きたりなば。
世の中が本格的な春になったので、桜が咲いた。

梅が咲いたら大倉山梅園を見に行くのと同様、桜が満開になったら多摩川の河川敷を丸子橋から二子玉川まで嫁と散歩する。これまた、我が家の恒例行事なのである(去年からだけど)。

食べ物を売っている店など皆無な多摩川沿いをてくてく歩き、空腹が頂点に達したところで二子玉のオレ的No.1レストラン「ブルー・ブランシュ」でパスタランチ。ぐふふ。適度な運動のあとは、最高にウマウマなランチの味が、さらに高まるゼーっ!

そんなわけで、桜の咲きほこる多摩川の河川敷へ。はぁー、春ですなぁー。桜の花を10倍ズームで撮影。またまた、自己満足に溺れる。

去年は桜ばっかり撮っていたけど、今年はどうにも鳥にばっかり眼がいく。コサギ。ユリカモメ。ムクドリ。ハクセキレイ……。スズメとカラスとドバト以外にも、世の中には本当にいろいろな種類の鳥がいるものだ。今まで見えていたのに見えていなかった、新しい世界。そんな発見のワクワクとかドキドキを感じるのって、かなり久しぶりで新鮮な感じだ。新しいデジカメを買っただけなのに、こんな展開があるなんて予想できなかったなぁ。重ね重ね、実にイイ買い物をしたものだ。どうだ、無駄遣いじゃないだろ?>嫁

それにしても、なのである。鳥たちを被写体としていると、花だの嫁さんだの姪っ子だのを撮っている時とは異なる、明確な障害がある。そう、カメラを向けると寄ってくる嫁さんや姪っ子、そして風にたなびく以外動くことのない草花と違い、鳥のヤツラは憎々しいことに近づくと飛んで逃げていきやがるのだ。

ヤフオクで最近手に入れた古本「野鳥写真マニュアル」によると、「鳥が警戒したら動きを止めて、警戒を解いたらまた匍匐前進で近づく」とある。

ほ、ほ、匍匐前進〜? 私、いつから帝国陸軍多摩川防衛隊第三歩兵小隊の1兵卒となったのでしょうか。

自分はただの「デジカメ買ったから鳥撮ってみよう」と思っているだけの、バードウォッチャーですらない素人さんである。そんなワザや根性なんて、とてもじゃないけど持ち合わせていない。ひたすら「近くによっても逃げない、サービスのいい鳥」と出会う偶然を、あちこちウロウロしながら待つのみである。

というわけで、多摩川の河川敷を歩きつつ、予想外の場所にばかり出現する鳥に翻弄されまくった。Ultra Zoomの液晶ファインダーは、「見ているままが写る」という点では非常によろしいのだが、「最大望遠で小さな被写体を探す」という鳥撮りシチュエーションにおいては弱点の方が目立つ。

なにしろズームの倍率が高いので、そもそも被写体が探しにくい。それに加えて、ピントの合う範囲も極めて短い。しかも液晶画面の低解像度である。ファインダーにとらえた被写体を判別するのが、どうしても遅くなってしまうのだ。

「どこだぁ〜? この辺か? → シャッター半押し → ファインダーのピントが合う → いねぇ! → それともこっちか? → シャッター半押し → ファインダーのピントが合う → いねぇ! → はたまたここか? → シャッター半押し → ファインダーのピントが合う → あっ、いた! よっしゃぁー、シャッターを押し……」という瞬間に、鳥のヤツは飛び立ってしまう。

こうして、慚愧の涙を流すこと10回以上。近づいてもなかなか逃げない、サービスのいいハクセキレイと出会い、なんとか自分的に会心の一枚をゲットできた。いやったぁ!

あくまで「自分的」に会心の一枚

さんざん苦労した記憶も、お気に入りが一枚撮れただけで脳内からキレイサッパリ消えてしまう。人間って、ホントに都合よくできてるなぁ。

パソコンで鳥の画像を見せると、「かぁーわぁーいいー」と嫁さんも大喜び。ぐふふ、10倍ズーム手ぶれ補正つきの、このデジカメは素晴らしいだろう。ついでにそれを格安で購入したオレさまはもっと素晴らしいだろう、と自己満足ウルトラ級。

それは、これから屋外メインで外出する時の主目的が「散歩に行く」とか「桜を見に行く」とかではなく「鳥を撮りに行く」に変わった瞬間であった。


 
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